香り高く、芳醇な味わいが魅力の紅茶。インドやスリランカなどの海外産が有名ですが、日本でも「和紅茶(国産紅茶)」が生産され、やわらかな香りと味わいで評価を高めています。
今回は、ご縁をいただき埼玉県・秩父で和紅茶づくりのお手伝いに伺ってきたので、茶摘みから製茶まで、一連の流れを現場からレポートしたいと思います!
まずはお茶摘みからスタート!

紅茶づくりは、原材料となる茶葉の収穫から始まります。
秩父地域での紅茶づくりは、例年6月からスタート。昼夜の寒暖差が大きく霧も発生する秩父のお茶は、香りの良さに定評があり、紅茶づくりにもぴったりな環境です。
ちなみに緑茶も紅茶も烏龍茶も、原料はすべて同じ「茶の木(カメリア・シネンシス)」。製法や使う茶葉によって、異なる種類のお茶が出来上がります。

︎生葉から和紅茶ができるまで
茶畑で収穫した生葉(なまは)は製茶工場へ運ばれ、和紅茶が製造されます。ここからは、伝統的なオーソドックス製法による和紅茶の作り方を、5つのステップで解説します。
萎凋(いちょう)

まずは、収穫した生葉を広げて水分を飛ばし、しおれさせる「萎凋」を行います。(※気候や設備の状況によって、自然萎凋や、熱風を送る人工萎凋をさせます。)
萎凋が進むと、フレッシュだった生葉が萎れ、手触りがやわらかく滑らかに!香りを確認すると、フルーティーさを感じるような紅茶の良い香りがふわりと広がります。これは萎凋香(いちょうか)と呼ばれ、萎凋が進んだ目安になります。
揉捻(じゅうねん)

萎凋ができたら、次は揉捻の工程へ進みます。
萎凋を経てやわらかくなった生葉を揉捻機にどんどん投入し、大きな分銅で圧力を加えながら揉んでいきます。揉捻時間は1時間~1時間半ほど。
揉まれることで茶葉の組織が壊れ、空気に触れて酸化発酵が進むと、茶葉がだんだんと紅茶らしい茶色みを帯びてきます。
物凄い力で茶葉を揉むこの作業。機械が発明される前は人の手で行われていたと思うと、気が遠くなりますね…!機械の有難さが身に染みる工程です。
酸化発酵

揉捻が終わったら、適切な温度と湿度のもとで安置して、茶葉の酸化発酵をさらに進めます。天候や茶葉の状態にもよりますが、ここでは1時間ほどを目安に発酵。
発酵がうまく進むと、茶葉自体が自然とほんのり温かくなり、紅茶らしい芳しい香りが広がります。
乾燥

発酵ができたら、茶葉を乾燥機へ。100℃近くの熱風を当てて茶葉を乾燥させ、発酵をストップさせます。同時に水分を減らすことで、長期保存が可能な状態に。
これで、仕上げ茶の元となる、「荒茶(あらちゃ)」の完成です!
ふるい分け

荒茶の段階では茶葉のサイズがばらばらで、茎なども混ざっているため、最後にふるい分けをして仕上げていきます。

写真一番左が、荒茶から茎や大きな葉を取り除いたもの。
私たちが普段リーフティーを買うときに見かけるような「紅茶の茶葉」の美しい姿がお目見えします!
まとめ
今回は、一杯の紅茶がどのようにしてつくられるのか、秩父の和紅茶づくりの現場からご紹介しました。
普段何気なく楽しんでいる紅茶ですが、茶摘みから萎凋、揉捻、発酵…と、それができるプロセスを知ると、一杯の美味しさもひとしお。お茶が育った風土(テロワール)や製茶方法による個性にも目を向けると、紅茶の世界をもっと奥深く楽しめそうですね。
今回ご紹介した埼玉・秩父の和紅茶は、山間地特有の豊かな香りが特徴です。もしお店や旅先で見かけた際は、ぜひ味わってみてくださいね。


