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【訪問レポ】中世から続く600年の歴史!エストニア・タリンの薬局Raeapteek(Town Hall Pharmacy/市議会薬局)でハーブティーを買う

茶の旅

中世の面影が今も残る街、エストニア・タリン。世界遺産にも登録されているタリン旧市街には、600年以上営業を続ける薬局:Raeapteek(Town Hall Pharmacy/市議会薬局)があり、現代の医薬品から中世から続く名物商品まで購入することができます。エストニアはハーブ文化が盛んなことでも知られ、Raeapteekでは古くからハーブやハーブティーが販売されてきた歴史も。今回、エストニア・タリンに伺う機会がありましたので、Raeapteekへハーブティーを探しに行ってきました!

Raeapteek(Town Hall Pharmacy/市議会薬局)ってどんなお店?

Raeapteekとは

Raeapteek(英語:Town Hall Pharmacy/日本語:市議会薬局)は、エストニアの首都タリンの老舗薬局。

創業日は不明ですが、1422年には3代目のオーナーのもと営業されていた記録が残っている、600年以上の歴史を持つ薬局です。同じ建物で継続して営業する薬局としてはヨーロッパ最古と言われています。

今も現役の薬局として、現代医学の医薬品やスキンケア商品などを扱う一方、ハーブティーやスパイス、チョコレート、はちみつ、そして中世からの名物商品「クラレット」や、失恋の治療薬「マジパン」なども販売。

赤ワインをベースにスパイスをブレンドした「クラレット」は、1467年には販売されていた記録が残っている名物商品。粉末アーモンドと砂糖などを練り合わせたお菓子「マジパン」は、この薬局では恋の痛みを癒し、脳を活性化するお薬として販売されてきたそう。1695 年の商品リストにはすでに記載があり、古くから人々の傷を癒してきたことが伺われます。

1695 年の商品リストには、他にも薬用茶やジャム、軟膏など現代も使われるものから、焼いた蜂やハリネズミ、ミミズの油、漂白した犬の糞、人間の脂肪など、現代の私たちには信じられないものまでラインナップ。また、紙やインク、タバコ、火薬、塩、スパイス、トランプなども販売されていたそうで、日常的に人々が立ち寄る場所だったことが想像されます。

薬局にはミュージアムも併設されていて、お店の変遷や、昔使われていた薬の展示、植物利用の歴史などを学ぶことができます。入場無料ですし、雰囲気もとても良いので、タリンに行かれる方はぜひ立ち寄ることをおすすめします。

店舗情報

お店は、タリン旧市街の中心地、旧市庁舎広場(Town Hall Square)の角にあります。タリン旧市街は城壁に囲まれる形で中世からの街並みが美しく残り、世界遺産にも登録されている場所。タリン観光で外せないエリアのど真ん中にありますので、旅行中にも立ち寄りやすい立地です。

Raeapteek(Town Hall Pharmacy/市議会薬局) 店舗情報
(※2024年8月時点の情報です。詳細や最新情報は公式ウェブサイトを確認してください。)
住所:Raekoja plats 11, Tallinn
営業時間:月曜日~土曜日 10:00~18:00
定休日:日曜日
公式ウェブサイト:https://raeapteek.ee/en

Raeapteek(Town Hall Pharmacy/市議会薬局)のハーブ利用の歴史

Raeapteekのお店の前には、閲覧用のハーブの本がディスプレイされていて、ハーブについて学べるようになっています。

ハーブが果してきた役割は大きく、中世には、薬剤師が自ら植物を育てたり、野生の植物を地方から入手したり、それでも見つからないものは外国から入手して、薬の原材料を調達していたそう。

残念ながら何が育てられていたかの詳細な記録はありませんが、お店の菜園は1452年に最初に言及され、1695年には71種類の薬用茶、20種類のチンキ剤(ハーブをアルコールに漬けて濾した液)、306種類のハーブなどが販売されていた記録が残っています。

ヨーロッパでは古くからハーブが薬として利用されてきたことが知られていますが、こうして豊富な種類のハーブが薬局で取り扱われていた歴史を見ると、より一層それが実感できますね。

Raeapteek(Town Hall Pharmacy/市議会薬局)でハーブティーを買う

店内の様子

私がお店へ伺ったのは2024年7月。ちょうど夏のバカンスの時期ということもあり、個人から団体まで、観光客も沢山訪れていました。

店内は歴史を感じる、どこか温かみのある雰囲気で、店員さんもとても親切。600年以上に渡る歴史に思いを馳せながら、今もその歴史が続く店内でお買い物をするのは、時間旅行をしているようで不思議な感覚になりました。

商品やミュージアムの説明書きには英語表記がされているものも多く、店員さんも英語OKでしたので、エストニア語がわからなくてもお買い物が可能です。

店内でハーブティーを物色

店内には気になる商品が盛り沢山ですが、お茶好きとしてはハーブティーは外せません。せっかくなので、この薬局ならではのハーブティーを探してみることに。

店頭では、写真のようにエストニアのリネンバッグ入りのハーブティー等が販売されていました。見た目も可愛くお土産にも良さそう。それぞれどんなお茶なのか、袋の色毎に聞いてみました:

水色:Raeapteek´s Bedtime Tea(よく眠るためのハーブブレンド)
紫:Raeapteek´s Lavender(ラベンダー)
ピンク:Raeapteek´s Rose Buds(バラのつぼみ)
緑:Raeapteek´s Herbal tea(ペパーミント系のハーブブレンド)
青:Alderman´s tea(市会議員のお茶)
黄色:Raeapteek’s Festive Tea(創業600年記念のハーブブレンド)

青の「Alderman´s tea」は、マジパンなどの甘いものを食べすぎてしまった時に飲むために作られたお茶だそう…!予想外の可愛い理由で作られたお茶で、思わず笑ってしまいました。紅茶やローズヒップなどがブレンドされていて、すっきりできるそうです。

黄色の「Raeapteek’s Festive Tea」は、創業600年を記念して作られたハーブブレンド。エストニア国花のヤグルマギクなど、エストニアならではのハーブも沢山ブレンドされているとのことでした。

リネンバッグ入りのハーブティー以外にも、腹痛を緩和するハーブティーや華やかなお花のハーブブレンド、ハーブ等をアルコールにつけてから飲むチンキ剤、ジュニパーベリーの瓶詰め等もあり。

購入した商品

どれを買おうか悩んでしまいましたが、今回私は、創業600年記念のハーブティー「Raeapteek’s Festive Tea」(5€:2024年7月時点で850円ほど)と、失恋の治療薬「マジパン」(2€:2024年7月時点で340円ほど)を購入しました。

帰宅して早速ハーブティーをオープン。リネンの袋を開けると、プラスチックの袋に茶葉が入っています。色々な種類のお花がふんだんにブレンドされ、見た目も華やか。確かに創業600年のお祝いにふさわしいブレンドです。抽出した時の茶葉も色とりどりのお花が浮かび、花束のようでした。

原材料:リンデンフラワー、ファイヤーウィードヤナギラン)、ローズヒップ、レモンマートル、メドウスイート、ヤグルマギク、マロウ、マリーゴールド、バラ、ステビア、ピンクペッパーコーン

いただいてみると、お花をメインとしたハーブティーらしい自然な香りと、主にステビアと思われる独特の甘さが印象的。一緒に買ったマジパンと合わせてみると、マジパンのまったりとした甘さとお花の華やかな風味がマッチし、単品でいただくよりも個人的には好みでした。

失恋の治療薬として販売されてきたという、マジパン。Raeapteekのマジパンは原材料の72%がアーモンドと、普段スーパーなどで売られているマジパンよりもアーモンド比率が高めです。それだけにアーモンドが濃く、甘さ控えめでとても美味しい。少量でもアーモンド独特の風味とまったりとした甘さが広がり、満足感があります。このマジパンが古くから人々に親しまれてきたことを想っていただくと、一層楽しい時間になりました。

まとめ

以上、エストニア・タリンの老舗薬局Raeapteek(Town Hall Pharmacy/市議会薬局)について紹介しました。600年以上の歴史を生きてきたお店で買うハーブティーやマジパンは、時間軸の味わいも広がり、とても楽しいティータイムになりました。中世から営業を続ける貴重な薬局として、これからも末永くその歴史を刻んでいって欲しいお店です。

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