1871年スコットランドからその歴史が始まった紅茶ブランド、Lipton(リプトン)。
誰もが一度は目にしたことがあるのでは?と思うほど、有名な紅茶ブランドですよね。日本のスーパーやコンビニでも気軽に購入できるリプトンですが、どんな歴史を経て世界中に広がり、日本でも気軽に楽しめる存在になったのでしょうか?
今回は、知っているようで知らないその歴史を振り返りつつ、商品情報も併せてご紹介します!
リプトンの歴史
1871年、食料品店からスタート
リプトンは、のちに人々から「紅茶王」とも称される、Thomas Lipton(トーマス・リプトン)氏が生み出した紅茶ブランド。
もともとは、彼が1871年にスコットランド・グラスゴーに開店した食料品店から、その歴史が始まりました。
19世紀後半、イギリス社会では紅茶ブームが到来していましたが、当時はまだ紅茶の値段が高く、庶民には手の出しにくいものでした。独自の経営手腕で食料品店を軌道に乗せたリプトン氏は、そんな紅茶に目を付け、誰もが美味しい紅茶を楽しめるように奔走します。
例えば茶葉の調達について。リプトン氏は1890年、スリランカ(当時のセイロン島)のウバ地方に広大な茶園を購入。紅茶の栽培から販売までを一貫して行うことで、中間マージンを削減しました。また、袋詰めしたパッケージ商品の発売や、機械化により効率化を進め、確かな品質の紅茶を低価格で提供することに成功します。
こうして出来上がったリプトンの紅茶は、「Direct from the Tea Garden to the Tea Pot(茶園から直接ティーポットへ)」というキャッチコピーのもと手頃な価格で売り出され、世界中で人気を獲得していきました。
リプトンの功績とその後
事業で成功したトーマス・リプトンは、慈善活動にも力を入れ、英国王室主導の福祉活動にも貢献。その功績も認められ、1898年にはヴィクトリア女王からナイトの称号を与えられ、「サー・トーマス・リプトン」と呼ばれるように。さらに1902年には準男爵の位を授けられました。
その後時は経ち、リプトンはユニリーバ社に買収され、傘下ブランドとして長年親しまれてきましたが、2021年に紅茶事業が分社化。現在は、PukkaやPG Tipsなども傘下にもつ、リプトン・ティーアンドインフュージョン社(旧エカテラ社)の主軸ブランドとして展開。
世界中の需要に応えるべく、スリランカ産はもちろん、ケニア産やインドネシア産など、様々な産地の茶葉からリプトン製品がつくられ、世界中に届けられています。
関連書籍&サイト
リプトンの歴史についてもっと知りたい方は、公式サイトや書籍をチェックしてみてくださいね。リプトン氏の経営手腕が感じられる逸話の数々は、ユーモアたっぷりで思わずクスっとしてしまいますよ!
(公式サイト)世界の紅茶を変えた男、「サー・トーマス・リプトン」
磯淵 猛さん著『一杯の紅茶の世界史』では、リプトンに関する記述だけでなく、茶の起源から紅茶の成り立ち、その後の展開まで、大変わかりやすくまとめられています。
リプトン氏についてもっと知りたい方は、『リプトン自伝』も!
日本でも100年以上愛されるリプトン
1906年、日本にリプトン紅茶が登場
次は、日本での展開についてです。
日本では1906年、日本初の外国産ブランドの紅茶として、リプトンの紅茶が輸入されました。
当時から販売されている、レストランブレンドの「黄缶」、セイロンブレンドの「青缶」、ダージリンブレンドの「白缶」は、今も変わらないクラシカルなデザインで愛されています。
リプトン紅茶 レストランブレンド(通称「黄缶」)
「黄缶」は、スリランカ茶葉100%のブレンド。業務用の超超超大容量です。
リプトン紅茶 エクストラクオリティ セイロン(通称「青缶」)
「青缶」は、スリランカ(ハイグロウン)の茶葉100%のブレンド。110gの飲み切りやすいサイズと、450gの大容量サイズがあります。
リプトン紅茶 エクストラクオリティ ダージリン(通称「白缶」)
「白缶」は、ダージリン産茶葉100%のブレンドです。450gのたっぷりサイズです。
1962年、日本でリプトンティーバッグ発売
今となってはお馴染みのリプトンのティーバッグは、日本国内では1961年に製造がスタート。1962年の発売以降、その手軽さで人気を集めました。
ちなみにリプトンはその土地の水質に合わせてブレンドを行っており、日本では日本の水や味覚に合わせて日本人のマスターブレンダーがブレンドしています。
発売されている商品は、定番のイエローラベルはもちろん、産地別のプレミアムシリーズやフレーバーティー、ルイボスティー、ハーブティーまで、豊富なバラエティです。
他にも、リプトン公式オンラインショップでは、豊富な種類の商品が揃っています。時期によってはお得なセール商品がゲットできることもあるので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
リプトン公式ショップ(Amazon店) リプトン公式ショップ(楽天市場店) リプトン公式ショップ(Yahoo!ショッピング店)まとめ
今回は、お馴染みの紅茶ブランド、リプトンについて紹介しました。紅茶を誰でも気軽に手に取れる存在にした立役者とも言えるトーマス・リプトン氏。普段何気なくいただいている紅茶ですが、色々な歴史があって今いただくことができているとわかると、一層有難く、味わい深いものになりますね。
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