ティータイムを美しく彩ってくれるティーカップ。でも、色々な種類があってどれを選べば良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ティーカップ選びのポイントと、用途別におすすめのティーカップをご紹介します。
ティーカップの選び方
まず、ティーカップ選びをする際に押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
色々なポイントがありますが、最終的には自分にとって使いやすく、使うと嬉しくなるようなお気に入りであることが一番大切だと思います。全てに当てはまらなくても良いので、自分が特にこだわりたいポイントを押さえて、カップ選びをしてくださいね。
形
まずはカップの形について。
一般的には口が広く、底の浅い、薄手のカップが紅茶に適していると言われています。理由は以下の3つです。
・口が広いほど香りが広がりやすい
・紅茶の水色(すいしょく:紅茶の色のこと)が存分に楽しめる
・熱湯でいれた紅茶が適度に冷めやすい
さらに、カップの縁が外に向かって広がっているものは口当たりも良く、紅茶の繊細な香味を味わうのに最適です。

写真は英国の陶磁器ブランド、ウェッジウッドの紅茶専用カップである「ピオニーシェイプ」のティーカップ。先ほど挙げた条件を満たしていることが、写真からも分かると思います。

より保温性を高めた背の高いタイプも、ティーカップとして人気です。特に真ん中がくびれた形のものは、熱や香りを逃しにくいので、ゆっくりと紅茶を楽しむことができますよ。保温性が高いので、ミルクティーを淹れるときにもぴったりです。「ヴィクトリアシェイプ」や「モントローズシェイプ」などの名称で販売されています。

右:ウェッジウッド「キャベンディッシュ」(ピオニーシェイプ)
もう一つ、形を見るときに注意したいのは、取っ手の大きさとバランス。
写真の2つのカップはどちらもウェッジウッドのものですが、写真左のカップは取っ手が少し小さいのが分かります。
カップに対して取っ手が小さいカップは、特にお茶の重みが加わった時、重心が取りづらいと感じる場合もあります。持ちやすさを重視する方は、取っ手にも気をつけて選びましょう。
カップの形は紅茶の味にも影響すると言われています。以下の記事で飲み比べ検証をしていますので、宜しければ併せてご覧くださいね。

色・デザイン

次に、カップの色・デザインについて。
紅茶の水色を楽しみたい方は、カップの内側の色は白がベースのものを選びましょう。写真のように、紅茶の邪魔にならない程度で内側に絵柄の入ったティーカップも販売されています。これは、透き通った紅茶の水色を活かしたデザインとも言えますね。

右奥:ウェッジウッド「ストロベリー&バイン」
右手前:ウェッジウッド「ワイルドストロベリー」(ピオニーシェイプ)
デザインを選ぶ時の注意点は、金彩の有無。金彩を使ったものは食洗器や電子レンジが不可だったり、比較的擦れや剥がれが出やすかったりと、普通のカップよりもデリケートな扱いが求められます。不安な方は、特別な日には金彩を使った華やかなものを、日常用には金彩のないデザインのものを選ぶと、無理なく楽しめますよ。
真っ白なデザインのカップはどんなテーブルウェアにも合わせやすいので、実用性が高いです。
ティーカップのデザインは、定番のものから期間限定のものまで、各ブランドから数えきれないほどの商品が発売されています。ぜひお気に入りを見つけて、ティータイムを楽しんでくださいね。ティーカップのおすすめブランドについては、以下の記事でまとめています。

材質
最後にカップの材質について。
陶器、磁器、ガラスなどの材質がありますが、ティーカップとして特におすすめなのは、口当たりのなめらかな磁器製のカップ。白磁器のほか、牛の骨灰を加えてつくられるボーンチャイナも、薄手で口当たりが良く、綺麗な乳白色が特徴で、ティーカップに適した材質として人気です。
それぞれの材質の特徴を以下にまとめたので、参考にしてみてください。
材質の違い
●陶器
陶器は、土(陶土)を主な材料としたもの。厚手で温かみがあり、光を透過せず、素朴な味わいが特徴です。厚手のため保温性に優れ、抹茶碗やコーヒーカップによく使用されています。代表例は、益子焼、萩焼など。
●磁器
磁器は、石(陶石)を主な材料としたもの。陶器よりもガラス質が多く、なめらかな質感が特徴です。硬く、強度があるため、薄く繊細なフォルムのティーカップを作るのにも適しています。代表例は、有田焼、九谷焼など。牛の骨灰を加えてつくったボーンチャイナも磁器の一種です。
●ガラス
安価で扱いやすいガラスカップ。耐熱ガラス製のものなら、温かいものにも使用可能です。透明なので、様々な角度から水色や、光の透過を楽しめます。花茶や、フルーツを加えたアレンジティーなど、目で楽しむドリンクをいただく時にも重宝します。
ティーカップとコーヒーカップの違い
ティーカップの選び方のポイントが分かったところで、ティーカップとコーヒーカップの違いも簡単に確認しておきましょう。(※それぞれに特化した場合の特徴です。実際には、特徴をミックスさせたカップが多く販売されています。)
ティーカップの特徴

ティーカップは一般的に、口が広く、底が浅く、薄手なのが特徴です。
紅茶はコーヒーよりも抽出温度が高いことが多く、適温になりやすいよう冷めやすい形状になっています。また、繊細な香りや水色を十分に楽しめるように、口が広く底が浅い形になっています。
コーヒーカップの特徴

一方で、コーヒーカップは一般的に、口が狭く、背が高く、厚手なのが特徴です。
コーヒーは紅茶よりも抽出温度が低いことが多く、また抽出中にも熱が失われやすいため、保温性の高い形状になっています。また、口が狭くなっていることで、熱だけでなく香りも逃げにくいように工夫されています。
【用途別】おすすめのティーカップ
ここでは、用途別におすすめのティーカップをご紹介します。
【紅茶用なら】紅茶専用カップ

紅茶用のカップをお探しなら、やはりおすすめは紅茶専用カップ。
口が広く、薄手で、底が浅い紅茶専用カップは、紅茶の繊細な香味と水色を存分に楽しめます。熱い紅茶が適温に冷めやすいので、ポットから注いですぐに紅茶を楽しめるのも大きな魅力です。
典型的な紅茶専用カップのひとつは、ウェッジウッドの「ピオニーシェイプ」のティーカップ。特にワイルドストロベリー柄は、その場がパッと華やぐような可憐なデザインで、長年愛される定番ティーカップです。
ウェッジウッドの「バタフライブルーム」シリーズは、19世紀のパターンブックにあった図案を現代風にアレンジしたもの。横長タイプ・縦長タイプが販売されています。
【汎用性重視なら】コーヒー・紅茶兼用カップ

「コーヒーにも紅茶にも使える、汎用性の高いカップが欲しい!」という方には、コーヒー・紅茶兼用カップがおすすめ。
紅茶専用のカップに比べて、背が高く、口元が狭く、厚みが中間的な傾向にあり、その分保温性に優れています。温度が低くなりがちなミルクティー用のカップとしてもおすすめです。
色々な好みに対応できるので、来客用カップとしても重宝しますよ。
ウェッジウッドでは「リーシェイプ」という名称で様々なデザインが発売されています。特にワイルドストロベリー柄は、来客用カップとして揃える方も多い、人気商品です。
【たっぷり手軽に楽しみたいなら】マグカップ

右:イッタラ「タイカ」
「たっぷり手軽に楽しみたい!」という場合には、マグカップがおすすめ。ソーサーなしで洗い物も少なく、どんな飲み物にも対応可能なマグカップは、普段使いのカップとして無くてはらない存在ですよね。
たっぷりとした容量と、縦に長く冷めにくい形状なので、仕事をしながら、あるいは読書をしながら、一度淹れた紅茶をゆっくり楽しみたいときにもぴったり。
様々な容量やデザインのマグカップが販売されているので、用途や好みに合わせてお気に入りカップを見つけてくださいね。
写真左と中央は、北欧フィンランドの名窯アラビアの「パラティッシ」シリーズのマグカップ。左は240ml、中央は350mlの容量です。ちなみにスタバのショートは240ml前後、トールは350ml前後なので、それぞれ同じようなサイズ感ですね。
写真右はフィンランドの食器ブランド、イッタラの「タイカ」シリーズのマグカップ。400mlというたっぷりサイズです。スタバのグランデが470ml前後なので、それよりは少し小さめです。
個人的に使用することが多いのは、ウェッジウッドの「ストロベリー&バイン」のマグカップ。エレガントな形で口当たりも良く、何にでも合わせやすいデザインです。食洗器を使っても、茶渋をごしごし洗っても気にならない作りなので、ストレスなく日常使いができます。
まとめ
今回は、ティーカップ選びのポイントと、用途別におすすめのティーカップをご紹介しました。形、色やデザイン、材質といったティーカップ選びのポイントを押さえつつ、用途や好みに合った、お気に入りのティーカップを見つけてくださいね。皆様のティータイムが一層楽しいものになりますように!
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