「夏も近づく八十八夜〜♪」
この歌を聞いて以来、いつかやってみたいと思っていた茶摘み。
そんな気軽にできないか、と勝手に諦めていましたが、調べてみるとなんと東京から1時間ほど、しかも日本三大銘茶のひとつである狭山茶の産地で、誰でも茶摘み体験できるというのです。
これは行くしかない!と、5月の新茶の季節に伺ってきました。
「味の狭山茶」の宮野園
今回伺ったのは、埼玉県狭山市にある宮野園さん。ここでは日本三大銘茶の中でも、「味の狭山茶」として知られる、狭山茶の茶摘み体験ができます。
茶摘み体験といっても、ただ茶摘みをするだけでなく、茶摘みレクチャーから始まり、茶摘みをし、摘んだ茶葉は自分で手作り茶に仕上げるという、至れり尽くせりのプログラムです。しかも、体験の最後には揚げたてのお茶の葉の天ぷらの試食も!
テレビにも多数取り上げられている宮野園さんは、公共交通機関でのアクセスが決して良いとはいえない立地にもかかわらず、体験希望者で大盛況。お茶の美味しさはもちろん、お茶の知識も、お人柄とホスピタリティも素晴らしく、人気の理由も納得のお茶屋さんです。
体験予約は宮野園公式ウェブサイトから可能です。
「味の狭山茶」の宮野園
宮野園さんの茶摘み体験
茶摘み体験ができるのは5月上旬〜11月上旬ごろ。
完全予約制なので、公式ホームページからまずは予約の問い合わせをしてください。特に5月の新茶の季節の土日は予約でいっぱいになることが多いそうなので、早めに予約することをおすすめします。
雨天の場合は事前に中止連絡が入ります。
茶摘み体験の概要
- 開始時間:基本的には2部制
10:00〜
14:00〜 - 体験時間:1時間半ほど
- 参加費:1,000円
- 茶摘み衣装レンタル代:500円(希望者のみ)
- 茶摘みができる時期:5月上旬〜11月上旬ごろ
※2023年5月の訪問時点の情報です。最新情報はお店のホームページから確認してください。
いざ!茶摘み体験へ
- Step1受付と準備
- Step2茶摘みレクチャー
- Step3茶畑でのんびりお茶摘み
- Step4簡単手作り茶体験
- Step5お茶の葉の天ぷら試食
Step1:受付と準備
まず、予約時間までに宮野園の茶園へ集合。
「宮野園」の看板が見えたら、そこを曲がって茶畑を抜けて奥に見える宮野園さんのお店まで進んでいきます。お店の横には体験エリアが用意されていて、「狭山茶 お茶つみ体験」のかわいい看板が出ていました。
お店の方に予約名と人数をお伝えして、席に案内していただきます。私が伺ったのは5月の日曜日。20名ほどの参加者で大盛況でした。
体験エリアでは、緑茶とほうじ茶がセルフサービスでいただけるようになっていました。お茶屋さんのお茶をいただきながら体験できるなんて、嬉しい心遣いです!
お茶をいただきながら受付けをし、いよいよ体験スタートです。
茶摘み衣装をレンタルした場合は、まず着付けから始めます。着方がわからなくても、お店の方がサポートしてくれるので安心です。
Step2:茶摘みレクチャー
準備が整ったら、いよいよ茶畑へ。
最初に、宮野さんから茶摘みレクチャー。どのような品種のお茶が育てられているのか、どのようにお茶を摘んだら良いのかなど、丁寧に教えてくださいます。
今回の茶摘みは、新茶の季節ならではの「一芯二葉」でつんでいきます。
この「一芯二葉」というのは、新芽が出たばかりの、甘く柔らかい部分。これは、葉が生まれたばかりで紫外線を沢山浴びておらず、まだ葉の中の旨み成分が苦味成分のカテキンに変化していないためです。新茶はこの部分を使っていますが、収穫量も少なく贅沢なお茶といえます。
それより下の硬い葉っぱは苦味がありますが、その分カテキンも豊富で栄養満点。葉も大きく育っているので、収穫量も増えます。
甘みが強い、苦みが強いなどそれぞれ特徴がありますが、一概にどれが良いということではなく、それぞれの特徴が活かされたお茶づくりがされているそうです。
Step3:茶畑でのんびりお茶摘み
レクチャー後は20分ほど茶摘み。ポキッポキッと摘んでいく感覚が気持ちいい!どれを摘んだら良いのか迷っていると「芯の部分を目印にするといいよ」と教えてくれました。コツをつかむとさらに楽しく、あっという間の茶摘み時間でした。
私がこの日摘んだ茶葉は写真のとおり。
摘んだ茶葉はこの後の手作り茶体験にそのまま使います。余った分は持ち帰りができるので、帰ってからもお茶づくりをしたり、茶葉をつかった料理をしたりと楽しめますよ。
お隣の仲良しマダムグループのかごを見ると、みんなカゴ一杯に茶葉を摘んでいました!同じ茶摘み時間なのにすごい!
この日は曇りでしたので大丈夫でしたが、太陽が出て暑い日は帽子などを用意しておくと良いかもしれません。
茶摘みが終わったら、最後にグループごとに記念撮影をしてくださいました。
茶畑の中で綺麗にうつるように上からカメラを構えてくれたり、ポーズを指定してくれたりと、写真撮影までプロ級の宮野さん。写真を撮ってくださるだけでも有り難いのに、ホスピタリティの度合いが想像を超えてきます。
Step4:簡単手作り茶体験
茶葉を摘み終わったら、今度は手作り茶体験のレクチャーです。
手揉みをしてつくるので、最初によく手を洗います。洗わずに、何かの匂いが残ったままだと、その匂いがお茶にうつってしまうので注意!
茶葉を軽くひとつかみしたら、ボールに入れて水洗いし、
それをビニール袋に入れふわっと口をしめ、電子レンジで1分加熱します。加熱するとふわっとお茶の良い香りが広がり、期待が膨らみます。
あとは、ボールに入れて、茶葉が冷たくなるまで手で揉み、また電子レンジで1分。
取り出したら手で揉んで、電子レンジでまた1分。これを、茎がポキッと折れるぐらい乾燥するまで続けていきます。
揉み方によって、味や風味が変わるので、その人の個性が出たお茶になるそうですよ。
手で揉んで、レンジで1分加熱して、を繰り返すと…
手作り茶が完成!
自分だけのオリジナル緑茶です。
出来上がったお茶は専用のアルミパックに入れて持ち帰れます。また、自分で摘んだ生の茶葉も紙袋に入れてお持ち帰りできるので、家で改めてお茶づくりをしたり、料理につかったり、家に帰ってからもお茶三昧できますよ。
生の茶葉で煮出してお茶をいれても美味しいそうです。なんでも昔はこの方法でお茶をいれていたとか。気になったので、私は家に帰ってから試しにやってみました。
Step5:お茶の葉の天ぷらの試食
全ての体験が済んだら、最後に宮野さんがお茶の葉の天ぷらを揚げて試食させてくださいました。付け塩は煎茶塩。これがまたお茶の葉の天ぷらによく合います。
セルフサービスのお茶と一緒に、天ぷらで一服。至福のひとときです。
煎茶塩は煎茶に塩を混ぜるだけだそうなので、お家でも簡単にできます。他にも、ジェノベーゼならぬお茶ベーゼ、お茶の混ぜご飯など、お茶屋さんならではの料理のアイデアも。
帰り際には、ショップでのお買い物で使える消費税サービスクーポンまでプレゼントしてくださいました。
まとめ
今回初めて茶摘み体験に伺いましたが、茶摘みから手作り茶体験、茶葉の天ぷらの試食まで、大満足のプログラムでした。宮野園さんのホスピタリティ、体験の楽しさ、お茶三昧の嬉しさで、時間とともに心まで満たされるような感覚です。そして、自分で摘んだお茶をいただけるというのも格別な嬉しさでした。
宮野園さんでは、茶摘み体験の他にも、紅茶づくり体験、組茶体験、手もみ茶づくり体験など、さまざまなお茶体験ができます。気になる方はぜひ足を運んでみて、お茶の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
また、茶摘み体験は狭山の他の茶園をはじめ、全国の他の茶産地でもできます。色々な場所で体験して産地や茶園ごと違いを発見するのも楽しそうですね。
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