日本の国民的飲料とも言えるお茶。栽培から加工まで国内で完結できる上、国内外で愛されている、貴重な商品でもあります。そんなお茶は、日本のどこで生産されているのでしょうか。2020年の日本のお茶生産量のデータで確認してみましょう。
日本のお茶生産量ランキング(2020)
お茶の生産量ランキング2020
政府統計の総合窓口(e-Stat)の2020年荒茶(収穫・製茶後、選別・仕上げ前の茶葉)生産量のデータをもとに、ランキングを作成しました。
まず、栄えある生産量1位は静岡県。お茶の一大産地として有名ですので、結果に納得という方も多いのではないでしょうか。それに迫る勢いで生産量が多いのは鹿児島県。それに続き、3位が三重県、4位が鹿児島県、5位が京都府という結果です。生産量をみても、静岡、鹿児島が他を引き離して圧倒的に多いことがわかりますね。
都 道 府 県 | 2020年 荒茶生産量(t) | |
1 | 静岡 | 25,200 |
2 | 鹿児島 | 23,900 |
3 | 三重 | 5,080 |
4 | 宮崎 | 3,060 |
5 | 京都 | 2,360 |
6 | 福岡 | 1,600 |
7 | 奈良 | 1,490 |
8 | 佐賀 | 1,140 |
9 | 熊本 | 1,120 |
10 | 埼玉 | 754 |
11 | 愛知 | 744 |
12 | 長崎 | 578 |
13 | 滋賀 | 549 |
14 | 大分 | 549 |
15 | 岐阜 | 470 |
お茶の三大産地 静岡、鹿児島、三重で全体の8割以上を生産
円グラフにするとこんな感じ。お茶の三大産地として知られる静岡、鹿児島、三重で、なんと全体の8割以上が生産されています。
お茶の生育条件
そもそも茶の木は、温暖多雨な環境が生育に適しています。ランキングを見ても、比較的温暖な地域に産地が集中していることがわかりますね。
『お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ 』(2017)によると、お茶がよく育つ条件は以下のとおり。
・年平均気温が12.5~13度以上
・排水、通気性がよい
・保水性がよい
・pH4~5程度の酸性土壌
雨がよく降り、かつ、水はけがよいところがお茶の生育に適しているということで、台地や山間地によく茶畑が広がっているのも納得ですね。
そして、あまり寒いところでは冬を越すのが難しくなります。北海道でも茶の木の地植え栽培が試みられていますが、経済的な栽培の北限としては、新潟県と茨城県を結んだあたりだといわれています。北に行くほど一番茶のシーズンも後ろにずれ込むことになり、栽培面積あたりの収穫量も一般的には少なくなっています。
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